引き続きまして、クラッチです。
しかし今回はクラッチが滑ったとかでは無く、異音作業なのです。
内容的にはクラッチペダルOFFで異音アリ、クラッチONで異音ナシと言う一般的なレリーズベアリング不良とは逆でして、OFFで異音ナシ、ONで異音アリと言う物。 この音の為の作業です。 交換歴も不明ですので、当然クラッチ一式も交換してしまいます。
早速原因ですが、フライホイールセンターに圧入されている『パイロットベアリング』 コレが固着しておりました。
異音がレリーズベアリングと違ったのはこう言う事ですね。
さて、ついでにオイル漏れもあったので、
クランクリアシールも交換。
こういった所は、やはりクラッチとセット交換が基本です。
レリーズベアリングはそこまで末期では無い。
クラッチ交換歴は有り、パイロットベアリングはもしや前回交換されていないのかも? しれません。
そしてミッションのフロントオイルシールも同様交換です。
さて、クラッチは純正相当にて交換。
ディスクの減りは0.8mm
そして今回、何とかなるだろうと思っていたクラッチのセンター出し、、
見事に手持ちでは合わず、、
しかしですね、前回作業でアブソーバー下に圧入したPOM。 コレを思い出しまして、、
旋盤にて目標寸法に切削。
無事に治具が完成です。
いづれはスプライン部の加工もしてみたいですね。
こちらはシフトレバー。 入庫時に言われてはいませんでしたが、シフトがガッタガタ!
原因は右上の白っぽいプラスチックが粉々になり消失していた為。 さすがは20万km。
この中央にピッタリとハマります。
そしてミッションを下ろした時に気が付きましたが、このシフト部分の部屋が独立しており、且つオイルのドレンボルトの様な物が見受けられる。
調べるとやはり!
ここには100cc程のオイルが入っているとの事です。 外し時にはオイル分は皆無。全て無くなっていました。
こうしてオイルが入ると更に手応えが変化!
相当スムーズになりました。
ただオイルの排出は車載状態ではパワープラントフレームが邪魔しますので、上からの吸い上げが良いと思います。
あとこの周辺のゴム部品は全て千切れていたのでコレらも交換です。
最後にクラッチ交換と言うか、ミッションを載せる時のポイントです。
ほとんどの人がこの作業を嫌う要因ではないでしょうか? スプライン部が上手くハマらない→重たいミッションを揺する→例としてs15シルビアのディスクなどでは破損する。
コレを簡単にする為には、、
『ミッションを4速前後に入れて、リアアウトプットシャフトを左右に動かしながらミッションを前進させる』
方法はコレしかありません。
根本的にスプライン同士は同じ形にならなければ入りません。 少しでもズレていたらダメなんです。
しかし今回の様にプロペラシャフトが無ければ回せない構造のミッションも多いので、ウチではペラシャをガムテープで抜け止めして使用しています。 今回は特にオイル交換したばかりだったので抜いていません。 一番はペラシャの先端を切った物があると最高ですがなかなかそうも行きません。
あと反対にエンジン側のクランクプーリーで回転させれば同じ事じゃないか? と思われますが、1人ではなかなか上手く行きません。2人ならばイケるかもしれませんが、やはりミッション側を回してやるのが一番と思います。