結構前から微妙に動きが怪しかったタイヤチェンジャーの修理です。
症状は↓
①ターンテーブルの回転ペダルの一方向が踏み過ぎると通電しない。
②チャックの開閉ペダルがロックしない。
です。
思えば20年以上前に中古で買った物なんですが、その当時では少数派なヘルパーアーム付き(1本)でして今でも現役で活躍してくれています。
さて進めます。
まずペダル部分のカバーを外し。
すると何とも汚い! 年数分の汚れと言った感じでしょうか。
この一番右のペダルがターンテーブルの回転を担当しています。ペダルの上下で正転・逆転です。
どうやらその上下からペダルがリターンする為のスプリングが斜めにズレており、上手く機能していない模様。
スプリングの固定ステーの位置がオカシイのか? と考えていましたが、、
原因はこのスナップリング(汚れの中に埋まっていました)
4個のペダルを貫通するようにシャフトが通っていますが、その右端を留めているスナップリングが外れており、この右端のペダルが右に動いてしまった事によりスプリングとの位置関係がズレてしまったという事のようです。
そしてそもそもの原因としてはこのスプリングの軸方向への飛び出し(経年により上手く収まらなくなった?)というか、テンションによりスナップリングを押し出す力が掛かってしまう事。 のように思われますが、今回はそのまま組むとします。
これにて回転の作動はOKとなりました。
さて次は、ホイールを掴むチャックのペダルへ進みます。
もうバラしていますが場所は左から2番目。
画像はそのペダル裏側です。
コレは先の画像の空いたスペースに付いていた部品です。
下2つの部品は元々1個で、板バネとして機能していたようです。 ハイ、こちらの原因はこの板バネの折損によるものでした。
復旧として、、 TIG溶接を試みましたが、、
返り討ちにされました。 薄板はなかなか難しい。
(今思えばスポット溶接を試しても良かったか)
まあ、とりあえずはどんな構造だったかを検証しましょう。 この板バネの形状は重要のようです。
ペダルに付いているロッド(プラスチックなので軽い)先端が黒い部品のロータリー部分を移動するのですが、向かって右側は重力で落ち、左側は板バネの力で上に上がる。
ん〜、、 この専用板バネの代用って難しくないか、、 そもそもこの構造自体を見直した方が良いのか? いやいやそっちの方が大変の様な、、
そんなところに現れた異素材『ポリエチレンテレフタレート』
コレを切り出して板状に、
なんと取付位置も上手く行きました。
柔らかく、適度なテンション。
板バネとしての役割を、、
(チャックのロック位置)
しっかりとこなしてくれてます。
(チャックのフリー位置)
こう見ると、チャックをフリーにしていると、板バネに大きな力が掛かっている事が分かりますね。
下は作動動画です↓
https://www.instagram.com/p/CEIadF8BPMC/?igshid=1g783mcrplp6o
https://www.instagram.com/p/CEIcbrHB4sH/?igshid=2h6pjwvxyfbu
ちなみにこの異素材である『ポリエチレンテレフタレート』は 『PET』。 通称ペットボトルと呼ばれる物です。 調べると別名ポリエステル⁉︎
服の生地の80%はポリエステルだそうで、ペットボトルはリサイクルされて繊維にもなる。 そして唯一無二の板バネにもなる。 スバラシイ。