今年初のエアコン修理です。
内容は↓
『左右独立の温度設定が出来るのですが、右は冷風が出るが左が温い』
そこで現車確認すると、確かに左だけ風が温い。
そして左の温度調整をどちらに振っても変化なし。
これらで大体予想が付きますね。
では進めましょう。
助手席のグローブボックスを外したところです。
すると、少し確認しづらいですが助手席側の温度調整部にアクセス出来ます。
画像では既に取り外されていますが、、
これがエアミックスサーボモーターです。
やはり動いていませんね。
このあたりの構成です。
分解は爪だけなので簡単でした。
やはりモーターエラーですね。
にしてもですよ、どうもオカシイ。
助手席のモーターを取り外してエアミックスのフラップがフリーとなり、それを手で動かせるんですが、、 フルホットは出るが、、 フルコールドが温い、、
こうして中央の吹き出し口をサーモグラフィーで見ると右と左で全く違うのが分かると思います。
この辺りで一旦整理が必要です。
・予想通り、明らかに助手席側サーボモーターの不良であった。
・調べるとサーボでフラップ位置の検出をしていて、通信にて制御もされている。↓
・もしや他にもフラップがありそのあたりの制御がされているのか?
そこでこの疑念を早々と払拭する為、我が家のZRR70 から部品を拝借。 テストしてみました。
結果はモーターが動くようになり、温度調整にてフラップが全開〜全閉まで動くようになりました。
しかしやはり現象は変わらず、、 冷風は出ず。
マニュアルと現物でも確認しましたが、その他温度調整に関係するようなフラップも見当たらず。
さて、頭がハテナ。
もう一度考えましょう。
こうなるとですよ、、
・温度調整はこのサーボモーターのみでしかされていない。
・つまり駆動されている内部フラップのみとなる。
・構成は、エバポレーター(冷たい)にまず風が通り冷やされる→冷風設定であればそのまま風を出す。 温風設定であればその冷やされた風をヒーターコア(熱い)へ通し温められる。 その切替を担っているのがこの内部フラップとなる。
・初めから運転席側は冷たい風が出ており、エバポレーターは冷えている。(左右へはその後振り分けられる)
・とすると、、その後のヒーターコア側へ、何かしらの不具合により風が抜けてしまっている?
現状ではそう考えるしかありません。
ではその確認をどのようにするのか?
ダッシュボードを下ろして、ゴッソリ外す?
それは流石に工賃的にも厳しい。
そこでオーナーさんの了解ももらい壁に穴を開ける事としました。
マジックで線を書きました。
この場所はエバポとヒーターの中間部分。
ここから中が見えれば何かしら分かるのでは? といった作戦です。
切断し始めましたが、このマジックの上半分ぐらいは切ってはいけない所でした。分離は下側とします。
こうして中が見えるようになりました。
見えているのは冷風を作り出すエバポレーターです。
まずは内部のフラップを確認しますが、、
正常です。 気密されています。
となるとですよ、、 エバポ?
あ。
なんだコレ。
エバポの右側しか冷えていない?
そこでエアコンガスを確認すると、サイトグラスに気泡が、、
R134ガスは泡消えからもう少し補充が正常値なので、現状ガスが少ないと判断出来ます。
ガスを2缶 400g を補充してようやく泡消え。(規定量750g)
本来であればもう少し補充する所ですが、実はこの車両冷媒漏れしているのであります。
その結果、 見事にエバポ全体が冷えるようになりました。 エバポの詰まりやエキパンの不良という事ではありませんね。
当然助手席側からも冷たい風が出るようになりました。
はい。
という事で、今回の原因は、エアミックスNO2サーボモーターと冷媒漏れによる冷媒不足によるエバポの冷却不足となります。
更にガスが抜けて運転席側も冷えないや、コンプレッサー自体が動かない状態であれば判断はもっと簡単だったと思いますが、今回の様な一部は冷えている微妙なガス量、そして左右独立温度設定車という事が相まり、診断が? となってしまいました。
ちなみに初来店が2ヵ月前でして、その時にエアコン不動でガスを補充しているので実際結構漏れている。
それを機に上のガスリークテスターを購入しましたが、漏れは発見出来ず。 以前まで診ていた車屋も特定出来ずに補充としていたようです。
そこで今回エバポ部分に穴を開けた流れから、一番疑っていたエバポ周辺のガスリークを診断してみました。
なんと、、 漏れなし!
意外です。
そして最終的にヒットしたのはエキパン部分。
でも漏れ量にしては反応が薄い⁈
これで完全に漏れが止まる。 という確定事項ではありませんが、試す価値はある作業だと思います。
エアコン作業の中でも一番簡単で安上がりな内容でもありますし。 続きはオーナーさん次第です。