初期型のスーパーチャージャー付きR53ミニ。
ミニ自体車検作業以外は初となります。
ちなみにこの目を引く色は「エレクトリックブルー」だそうです。
さて、今回のメニューはエンジン交換⁈
状況はエンジン水喰い⁈
バッテリー完全上がりで入庫です。
まずバッテリーを完全充電して何とか復活。
そしてエンジンを掛けて見ると… 普通に掛かりますが、「ガラガラ」と金属音を発しています。
確認するとベルトが破断しており、後で画像が出ますが、何とベルトが切れるとそのテンショナーの部品がクランクプーリーと接触して削れてしまうという何とも言えない設計でした。
という事で新品ベルトが到着。とりあえずエンジンを復旧し冷却水の減り具合を確認するのが良いですね。
まずは右前インナーを取り外し。
するとクランクプーリーが見えますが、ベルトテンショナーはフレームに隠れて全く確認出来ません。
ベルト交換の順番としては、
①テンショナーを縮めて固定。
②ベルトを掛ける。
③テンショナーを解放する。
といった具合ですが、本来ならばテンショナーの圧縮に専用工具(SST)が必要。 しかしそんな物は持ち合わせていないので、SSTレスの方法を考えました。
以下は分かりづらいですが参考までに。
画像中央の少し下に小さな丸い穴が開いています。
そこにちょうど入るサイズのL字六角を入れる。
その六角にバール先端を掛けて、
画像中央右側の六角ボルトを支点にしてバネを圧縮。ボルトからバールが滑って外れやすいのでお気をつけを。
そして圧縮した状態を保ったまま、バネの頭から飛び出してきたプレートに開いた穴へ、これまた合うサイズのL字六角を通せば①の圧縮固定完了です。
こうして固定するとクランクプーリーとテンショナーが離れ、当たって削れていた所が確認出来ます。
新品ベルトは「6PK1388」
切れた古いベルトも1388とかろうじて読みとれます。 長さが純正なので社外プーリーなどは入って無い様です。
ここでベルトを掛けようと思ったのですが、プーリーの溝が削れて変形している箇所を発見し中断。
クランクプーリーを取り外す必要が出てきました。
そしてこれがまた曲者でして、、
この様にM6のサービスホールが3ヶ所。なので三股のプーラーが必要です。
それと締めていくと純正プーリーボルトも回ってしまう為、15mmの回り止めが必要なので、そのスペースも確保しなければいけません。
これまたSSTは持っていないので、探した所、スライディングハンマーのセットに入っていた三股が使えそうです。 が、なまくらのM6ロングボルトは見事に破断! ここは相当固い。
そこで考えましたが、M8のキャップボルトの先端をM6に加工するのがベストと判断。 ミニ旋盤で作りました。
これで強度&スペースもバッチリ!
ようやく取り外せたプーリーはこんな感じ、ヤスリ でベルトに害が無い様に削って修正しました。
ちなみにプーリーは内外の間にゴムが入っており、
振動対策していますが、これが劣化で分離破断する事もある様です。
それとプーラーのボルトですが、先端を短く切り飛ばす必要もありました。
プーリーが外れ、削れた所がより見えます。
この後プーリーを付けますが、これもかなり固い。
純正のボルトでは長さが足りないのでもう少し長いボルトも必要ですね。 繰り返しますが本当に固い。 流石、半月キーやピンなどが無いだけあって、本当の圧入です。
ちなみに取付位置などの指定はありません。
こうしてベルトを掛けて始動OK。
そして、、 入庫事タンクのクーラントはカラでしたが、補水後は減りませんね〜。 しばらくチェックです。